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久し振りのLA訪問

 空港を出てフリーウエーに乗ると懐かしい風景。空気がカラリとし、青い空が、街の樹々やビルがお帰りなさいと広がっている。ホテル直行はもったいないと友人にわが旧居とその周辺を回ってもらった。私が4年、家内は7年ぶりのLA訪問である。散歩途中の隣人に出会い、また一人家から出てきた。早く帰って来いよと泣かせる。  今回の滞在は実質3日間。メインの会議以外はできるだけ懐かしい人たちに会いたい。集まっていただいた皆さんの懐かしい顔・顔・顔、みんなお元気で活躍しているのが嬉しい。日産やトヨタの移転、ダウンタウンの変貌、幾つかの会食でLAの変化を知った。  久し振りに訪れたリトル東京は人通りが多く、以前より賑わっている。若いアメリカ人が多く日系人・日本人の姿は少ない。この界隈にはコンドやアパートが増えて賑やかになったと聞いたのは本当だった。メトロが開通するとさらに賑やかさは増し、店賃も上がって日系のお店は締め出されると危惧する声もある。賑わいをどう味方にするか店主の腕の見せどころ、ぜひ頑張ってチャンスを実現してもらいたい。  LAには80を超える民族が住んでいるそうだ。アジア系の伸び率は高いが日系社会は伸びが鈍く、相対的に他のアジア系の活気に押されているような気がする。長い日系人の歴史を通じて次々と地域の成功者が日系社会を支えてきた。戦後、大企業の進出は多いが進出企業は日系社会を支える予算はふんだんには使えない。フレッド和田さんやジョージ荒谷さんの敬老引退者ホームの創設も「ビジネスにチャレンジして自らオーナーたらん若者を支援しよう」が真の目的だった。コミュニティーの発展はビジネスの繁栄があってのこと。各人・各団体が切磋琢磨して活躍するとともに、いざという時に、日本人も日系人も一丸になることで日系社会の活性化を果たしてもらいたい。ダウタウンにできた「ねぶた保存館」、豊島夫妻やそれを支える人々の熱い思いに地域にかける情熱と希望を見た。  28年間の思い出の詰まった第2の故郷・ロサンゼルス、温かいその懐に抱かれながらそんなことを思った。【若尾龍彦】

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