top of page

心躍り、胸が痛む伝統の祭り

 小東京を舞台に繰り広げられる真夏の祭典、伝統の二世週日本祭。先月開幕し、すでに一つの行事を終え、再来週末から本格的に諸行事がスタートする。祭りの音が、聞こえてくるこの時期はいつも心が躍る。今年は暑い日が続き、猛暑の小東京をさらに熱くしてくれるに違いない。  一方で、祭りの名称の二世の方々の参加が、ここ2、3年でずいぶん減ってきていて、胸が痛む。元気な姿を見せて、われわれを喜ばせてほしい。二世は、差別や偏見と戦いまた、大戦の影響で人生を翻弄されながらも、たくましく生き抜いた真のパイオニアだと思う。個人的には、日系社会と小東京の古い歴史を日本語で語ってもらい、学ばせてもらい、貴重な経験をさせてもらった。二世の参加に敬意を払いたい。  毎年テーマを持ち、今年は「ファミリー」(オハナ、ハワイ語)。ハワイで生まれ育った実行委員長のアイデアだそうだ。南カリフォルニアの人々に、日本の伝統文化と日系人文化を披露する祭りの目的を実行しながら、日本的な「おもてなし」で、家族として迎え入れ、楽しませようとしている。この考えは、日本文化の普及と、小東京の活性化にもつながるだけに期待が込められている。  祭りの呼び物のグランドパレードは、約200の個人・団体が練り歩くというが、残念なことがある。初登場以来、10年以上欠かさず参加している青森ねぶたが、昨年に次ぎ光り輝くことはないのだ。明るいうちに先頭がスタートし、日が落ちる頃に終えるためだ。ねぶたはもう一台、中型を今秋、当地で制作を予定しているといい、来年こそは2台そろって輝きを放つことができるように、グランドパレードを夜に戻してもらいたい。それこそが、真の日本文化の紹介だ、と信じてやまない。  華やかなコロネーションボウルで、日系社会を代表して他の社会を訪問し親善大使の役割もこなす女王とコートが決定する。候補者7人に会って話したが、皆しっかりしていて、頼もしい。活動は週末が多いらしく、プライベートを犠牲にした1年に奉仕のエールを送りたい。【永田 潤】

0 views0 comments

Recent Posts

See All

熱海のMOA美術館に感動

この4月、日本を旅行中に東京から新幹線で45分の静岡県熱海で温泉に浸かり、翌日、山の上の美術館で北斎・広重展を開催中と聞き、これはぜひと訪れてこの美術館の素晴らしさに驚き魅せられた。その名はMOA美術館(以下モア)。日本でも欧米でもたくさんの美術館を見たがこれは 所蔵美術品の質と数の文化的高さ、豊かな自然の中に息を飲むパノラマ景観を持つ壮大な立地、個性豊かな美術館の建築設計など卓越した魅力のオンパ

アメリカ人の英国好き

ヘンリー王子とメーガン・マークルさんの結婚式が華やかに執り行われた。米メディアも大々的に報道した。  花嫁がアメリカ人であるということもあってのことだが、それにしてもアメリカ人の英王室に対する関心は異常としか言いようがない。  なぜ、アメリカ人はそんなにイギリス好きなのだろう。なぜ、「クィーンズ・イングリッシュ」に憧れるのだろう。アメリカはすでにイギリス系が多数を占める国家ではない。いわゆるア

野鳥の声に…

目覚める前のおぼろな意識の中で、鳥の鳴き声が聞こえた。聞き覚えがない心地よい響きに、そのまま床の中でしばらく聴き入っていた。そうだ…Audubonの掛け時計を鳴かせよう…  Audubonは、全米オーデュボン協会(1905年設立)のことで、鳥類の保護を主目的とする自然保護団体。ニューヨークに本部がある。今まで野鳥の名前だと思っていたが、画家で鳥類研究家のジョン・ジェームス・オーデュボン(1785

bottom of page