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大相撲、ケガ対策待ったなし

 大相撲秋場所が始まりました。出だしからいきなり横綱3人が休場となってしまいました。そして、期待の大関高安が三日目から、大関照ノ富士も六日目から、若手人気力士宇良も四日目からと人気力士の休場が続きます。新聞には、「秋風場所」「故障予防待ったなし」の見出しが躍る現在の状況は異常です。  相撲協会の役員からは、稽古が足りない、ケガしないように体を鍛えるべきだとの声も聞こえてきます。しかし、相撲界には親方・役員、床山や呼び出し、付け人や髪結い、相撲茶屋など実に大勢の人たちが関わり生活しています。それを束ねる相撲協会にとって力士は貴重な協会財産のはず。その貴重な財産が次々と故障するのは看過できません。どのスポーツ界でも選手の安全と健康面には最大の注意を払います。以前は観客の視野を遮りケガの可能性もあった土俵の東西南北にあった四本柱は国技館の再建時になくなり房になったと聞きました。協会の英断でした。  今ではほとんどの力士が包帯や絆創膏、サポーターをして土俵に上がります。ケガが多いのは、年6場所となり巡業も忙しい。稽古が足腰だけでなく筋トレなども盛んになり、圧力を増すために体重を増やすなどで下半身に負担が掛かるのでは、という声も聞かれます。  素人考えですが、土俵をもう少し低くしたらどうでしょう。今の観客席はすり鉢状、少々土俵が低くなっても問題はないと思われます。また、砂かぶりと呼ばれる土俵際の席はもう少し後退し、土俵と観客席の間にスペースをとったらどうでしょうか。百数十キロもの力士がすごい勢いで飛んでくるのです。ケガをした場合は土俵そばまで車椅子を持ってくるとか、トレーナーや医師を現場に配置するとかして環境を整え、力士には万全の体調で土俵に上ってほしいですね。  今場所は上位陣の休場が相次ぐ中、下位や中堅の力士が活躍しています。相撲人気が盛り上がり、毎日大入り満員の垂れ幕が下がる今、さまざまなしきたりや伝統・様式の壁があるのでしょうが、なんとかケガ対策を講じて、万全の体調で技と技、力と力がぶつかり合う場所にしてほしいものです。【若尾龍彦】

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