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初耳のKBG84

 「お母さん、KBG84って知ってる?」との娘からの電話に、思わず「なに、それ?」と聞き返した。  注目に値する世界の人々の暮らし紹介を、アメリカのTVプロデューサーが企画。娘に、日本のKBG84メンバー電話取材の際の通訳の話があったらしい。  旧ソ連の国家保安委員会KGBのパロディー版かと思えるグループ名KBGは、沖縄の小さな島のグループ「小浜島(こはまじま)ばあちゃん合唱団」から来ているのだという。それに続く84は、なんと平均年齢84歳を意味するとか。AKB48やHKT48という日本各地に誕生した少女グループ名をもじった命名は、興味をひくに十分だ。  「私のおばあちゃんと同じような年の人たちが歌って踊るからすごいよ。ユーチューブで見ることが出来るので、お母さんも見てみたら」と娘。  早速KBG84 を検索すると、画像と説明記事とが多数現れた。グループは一昨年、レコード会社からCDを出してメジャーデビュー。97歳のメンバーを筆頭にインタビュー番組『徹子の部屋』にも出演していた。  私同様に初耳の読者のためにもう少し紹介すると…。  小浜島は、石垣島まで船で30分の所にあり、人口は約500人。島に移り住んだ音楽家がプロデューサーとなってグループは生まれ、歌と踊りの練習に励む。メンバーは約30人だが団員資格は80歳以上と決められていて、それより若い人は研修生なのだとか。キャッチフレーズは「天国に一番近いアイドル」だ。  ユーチューブで見るKBG84は皆、いい笑顔で歌い、踊っていた。  身にまとう芭蕉布の着物は各自が織ったものといい、中には今も自分で糸を撚って織るメンバーも。体を動かし指を動かすことは、大切なことに違いない。  食前に全員で唱和するという、「ツルさんやカメさんのように長生きしたいなら、ツルツル飲まずに、よ~くカメカメ」にも納得だ。  KBG84の笑顔とその長寿の秘訣には、多くの人が関心を持たずにはいられないだろう。どんな形でアメリカに紹介されるのか、楽しみだ。【楠瀬明子】

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