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「終わった!」

 お盆祭り、LA七夕祭り、二世週祭と一連の祭りが終わって片付けも済んだ。踊って踊って、気持ちよく疲れた!  この祭りの時だけ会える人たちがいる。七夕のように、年に一度会って元気を確認したり、子供であれば成長を目の当たりにする。会えない人は弱ってきたのかな? 病気かな? と心配する。小東京の高齢者の参加は減少傾向にあるように見える。そんな中、旧敬老引退者ホーム、サクラガーデンズの居住者がピンクの法被で参加している姿は頼もしく思えた。  一年一年、年を取って参加できなくなっていくのは避けられないことだ。見に出て来られるのはまだいい。新たに参加する人たち、他州からきて日系のイベントを手伝いたいというアメリカ人。いろいろな人が加わっていく。彼らは、日本文化に興味を持ち、歴史を学ぼうとしている。雰囲気は変わっても、日系人が始めた祭りを続けていく意義は大きいと思う。  一方、この期間中に開催イベントの音が大きいから体に障ると、音を下げるようにポリスの手を借りて申し入れをしたい、弁護士を立てて正式な抗議も視野に入れているという人が現れた。会場に行ってみたらイベントが終わっていたが、その場にいたポリスに聞くと、騒音というほどではなかったと言った。深夜ならともかく、日中のイベントで、ある程度の音量は、盛り上げる意味でも必要なことではないだろうか。  戦前、日本人・日系人が住み、栄えていた小東京は様変わりしてしまったが、その地に住む人たちは、そういう場所に住んでいる、という意識はないのだろうか。そこで開催される二世週日本人祭。77回まで続けてきた日系最大の祭りを、絶やさず盛り上げようという機運に水を差す行為に思えた。  各種展示、デモンストレーションなど見られなかったが、フェイスブックやインスタグラムで賑わう様子を見た。確実にアメリカ人に広まっているように感じる。金髪の若い子の英語の質問の中に入っているOndoの単語に、一瞬、戸惑って音頭のことを聞かれているのだと理解するのに数秒要した。音頭も「すし・さしみ」のようにそのまま通じる言葉になるかもしれない。【大石克子】

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