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思い込み

 思い込みから、勘違いや誤解が生じることがある。  日本から語学留学に来た女子大生と一緒に交番ボランティアをしていて、えっと思ったのは、応用が利かないというか、言われたことの意味を考えて行動することができないと感じたことだ。優秀といわれる有名大学生に、あまり細かい説明や指示をしたら失礼かと思う私の思い込み。最低でもリトル東京とその周辺の通りの名前を覚えてほしいと、地図を渡し実際に歩いて来るように言ったのだが、建物だけ見たということが、後で分かった。通りがどこにあるか聞かれて、答えられないので「通ったでしょう?」と言うと見なかったと。  iPhoneのマップで行き先を検索して、目的地が分かる。途中の通りなど見なくても着ける。彼女にしてみれば、言われたとおりに見に行って、着けばよし、何という通りを通った、そこに何があったなど問題ではないということらしかった。  日本は通りではなく町名を使う。通りの名前を覚えたらいいという意味が分からなかったという。その思い込みと、ペーパーの地図を見なくてもどこにでも行かれるという便利さ。地図の見方の思い込みの違いに、世代間ギャップを感じた。  世代の違いだけでなく、生活環境や人種の違いでも同様のことがある。日本人の常識という思い込みが、このアメリカ社会の中で通用しなくてイライラの種になる。仕事の仕方も協力し合って、効率良く、完結させるではないので、そのやり方を理解しないと、逆に問題を起こしてストレスの種になりかねない。  昨年末からの敬老4施設売却にからむ集会や報道でも、敬老ホームはどこを指しているかがそれぞれの思い込みで異なる。夫は、元敬老引退者ホームで働いている。それは事実だ。「あなたのご主人のところのお金でコミュニティーが騒いでいるでしょう。どうしたんですか?」と今日も話しかけられた。こんなことが何度もある。経営主体だった本部敬老とごちゃ混ぜの思い込み。困惑させられることが度々。こちらが、聞きたい側なのに。正確な事実に添って、意見を言ってほしいものだと思う。思い込み発言は、傷付けることもある【大石克子】

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