top of page

新年に

 2016年も半月になるが、お正月気分をまだ味わっていない。近年、こんな新年の迎え方になっている。  元日の小東京でのお正月イベントは、年々参加者が増加しているように思える。高野山の参拝者も増加していると聞いた。クリスマス前から、小東京の人出は増えていると感じていたが、何を求めて全米各地、世界から集まるのだろうか。こんなに関心を持ってもらえるのなら、もっと日本文化や日系の歴史、日本語を広める場所や企画があっていいのではないかと思う。  新年早々、宝くじパワーボールの当選金額が史上最高額になって、売り場は長蛇の列。例に倣って購入。当たったらと、捕らぬ狸の皮算用。この金額なら、敬老4施設はもちろん、小東京も買える。歴史ある日本食レストランがこれ以上閉める憂き目に遭うことのないようにしたい、大きな会合ができる場所を作って日系のパーティーは小東京で、日本各地を紹介する県人会館、などと友人と語り夢をふくらませたが、現実のものとはならず。  小東京の将来を思い描いて夢を見るのは、楽しいひと時だった。戦前の街並みは到底かなわないが、日本を求めてやってくる人たちを納得させられるような場所にしたいと考えた。何の制約もない自由な都市計画。  小東京に関心のない日本人、敬老を知らない人も多いと思う。だから、夢を見たかったというのもある。せっかく、先人が作って土台があるから、それに乗っからないのはもったいない。しかし、全て宝くじの当選金を当てにしてのこと。夢を見させてもらった。  現実には、周りにいる病気の友人知人のことが気がかりで気持ちが休まらない。次のイベントの折り紙に追われ、と心身の休養をのぞむなど夢のまた夢。それもまたよし。倒れないでできることをありがたいと思う。  そんなこんなで新年を迎えたが、天候もエルニーニョの影響で水害も多い。新年から家を失った人たち、亡くなった人たちを思うとやるせない。良くないことはサル、いいことがクル年であってほしいと願うばかりだ。  夢が正夢になるようにと希望だけは持つことにしよう。本年もよろしくお願いいたします。【大石克子】

5 views0 comments

Recent Posts

See All

熱海のMOA美術館に感動

この4月、日本を旅行中に東京から新幹線で45分の静岡県熱海で温泉に浸かり、翌日、山の上の美術館で北斎・広重展を開催中と聞き、これはぜひと訪れてこの美術館の素晴らしさに驚き魅せられた。その名はMOA美術館(以下モア)。日本でも欧米でもたくさんの美術館を見たがこれは 所蔵美術品の質と数の文化的高さ、豊かな自然の中に息を飲むパノラマ景観を持つ壮大な立地、個性豊かな美術館の建築設計など卓越した魅力のオンパ

アメリカ人の英国好き

ヘンリー王子とメーガン・マークルさんの結婚式が華やかに執り行われた。米メディアも大々的に報道した。  花嫁がアメリカ人であるということもあってのことだが、それにしてもアメリカ人の英王室に対する関心は異常としか言いようがない。  なぜ、アメリカ人はそんなにイギリス好きなのだろう。なぜ、「クィーンズ・イングリッシュ」に憧れるのだろう。アメリカはすでにイギリス系が多数を占める国家ではない。いわゆるア

野鳥の声に…

目覚める前のおぼろな意識の中で、鳥の鳴き声が聞こえた。聞き覚えがない心地よい響きに、そのまま床の中でしばらく聴き入っていた。そうだ…Audubonの掛け時計を鳴かせよう…  Audubonは、全米オーデュボン協会(1905年設立)のことで、鳥類の保護を主目的とする自然保護団体。ニューヨークに本部がある。今まで野鳥の名前だと思っていたが、画家で鳥類研究家のジョン・ジェームス・オーデュボン(1785

bottom of page