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Writer's pictureRafu Shimpo

AIと人間

 AI(Artificial Intelligence =人工知能)の進化は目覚ましく、知らぬ間に家電やロボット、車のほか多方面で活用されているようだ。  先日、トヨタ自動車が自動運転EVの試作車を紹介していた。箱型の少しユーモラスな外観の「イーパレット」は2020年東京オリンピックで移動サービスを提供する予定だとか。20人の立ち乗りが可能で、外国人アスリートたちが立ったまま会場間を運ばれる図を想像すると、何だか面白くなる。  未来の車は人工知能が運転者の感情を読みとり、疲れていると判断すれば、お気に入りのカフェへ寄り道を提案したり、また車を使用していないときは無人タクシーとして出稼ぎにも行くのだとか。  そんなことまでクルマにしてもらおうとは思わないが、このアメリカで交通手段に難儀している身としては多いに関心のあるところで、将来、自動運転車が販売されたら、少々高くても欲しいと思ったりする。一人乗り車を造ってくれたら、コストも半減するかもしれないし、運転免許を返納させられたシニアもこれには飛びつくかもしれない。でも間に合わないだろうなー。ちょっと気になるのが運転免許証の名義。車の持ち主は運転しないのだから無免許でいいの? もし、事故を起こしたら、誰が賠責者になるのだろうか?  今後、AI開発のテーマになっているのが、AIとロボットに倫理を埋め込む研究だとか。一昨年3月、マイクロソフトが開発したおしゃべりロボット「Tay(テイ)」は、ツイッターなどのSNS上でユーザーとツイートする中で新しい言葉や会話を学習しながら発達させようと試みたAIだが、不適切な受け答えを教え込まれた結果、差別発言を繰り返し、ヒトラーを称賛するようになり、16時間後には公開停止に至ったという。ロボットだから停止すればそれで決着がついたのだろうが、人間はそうはいかない。幼児からスマホを持たせる現代社会を思えば、ちょっと怖い話である。  AIは軍事面でも使用されているのだろうが、兵器の誤作動などないよう願いたいものだ。  とはいえ「核のボタンは私の机に上にある」と豪語する人間の方が手に負えないのかもしれないが。【中島千絵】

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