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第22回東京シティカップ:大井競馬場との友好関係祝う

東京シティカップを首の差で制し、優勝を飾ったハード・エーシーズ⑥


サンチアゴ・ゴンザレスが騎乗し優勝したハード・エーシーズ

 アーケディアのサンタアニタ・パークは2日、東京・大井競馬場との友好関係を祝う記念レース、第22回「東京シティカップ」を開催し、長きにわたる両競馬場の固い絆を確認した。東京シティカップ開催を祝う「ジャパン・ファミリーデー」が併催され、さまざまな日本文化を紹介し、家族連れで賑わった。【永田潤、写真も】

ハード・エーシーズが優勝 接戦、首の差で制す  東京シティカップ(第8レース、ダート1・5マイル)は、総額10万ドルの重賞レース(GⅢ)、今年も強豪馬が出揃い白熱の展開となった。  レースは、3頭が並んでゴールに入り盛り上がり、サンチアゴ・ゴンザレスが騎乗したハード・エーシーズが、首の差で接戦を制し、賞金6万ドルを獲得した。  ウイナーズ・サークルでは、騎手と調教師、馬主などが勝馬を迎え入れ、関係者が鏡開きを行った。升酒で乾杯し、着物姿の女性が花を添えるなど、日本文化づくめで、勝利を祝福した。

大井競馬場のマスコット「うまたせ君」は、サンタアニタでも子供たちに大人気だった

 両競馬場は毎年、サンタアニタが「東京シティカップ」、大井は「サンタアニタ・トロフィー」の記念レースを開き、競馬を通じて日米交流を深めている。さらに、事業面の情報・意見交換や、騎手と調教師が往来した技術交流も進め、競走馬も大井に出走するなど、友好関係は成熟している。  サンタアニタ・パークのピーター・D・シーバレル特別企画担当役員は、大井との友好について「22年経ち、驚いている。互いに学び合うことがいい。今後ももちろん友好を深め、関係を強固にしたい」と希望。日本紹介イベントについては「日系社会の協力で今年もまた開いてもらい、初めての来場者を多く連れてきてくれた。われわれのお客さんを大いに楽しませてくれたことが一番うれしい」と喜んだ。 日本と日本文化を紹介 家族連れで賑わう

初めて体験するお茶を満喫するトニー、ジニー・フィゲロアさん夫妻(左端)

 日本と日本文化を紹介するイベント「ジャパン・ファミリーデー」は、今年で16回目を数えた。茶道、華道、折り紙、空手、相撲、剣道、民謡、琉球舞踊、津軽三味線、獅子舞、太鼓など多種の日本の伝統文化・芸能に加え、アニメ関連などサブカルチャーを紹介した。和食ではすしに、広島風お好み焼き、日本酒、お茶、ラムネなどが販売され、お祭りコーナーでは、お面が並び、子どもたちがヨーヨー釣りやおもちゃすくいに興じ、競馬ファンと家族連れなど多くの参加者を喜ばせた。  チャンネル5のニュースで同イベントを知ったという競馬好きの夫トニー・フィゲロアさんに連れられてジニーさんはロングビーチから、初めて競馬場に来た。野点を初体験し「生まれて初めてお茶を飲んだ。コーヒーよりも濃厚な味で、和菓子(まんじゅう)はほどよい甘さで、どちらもとてもおいしかった」と堪能。日本文化には、高い関心を持っているものの「なかなかふれる機会がないので、今日はいい体験ができ楽しむことができた」と喜んだ。競馬については「馬がとても美しく、とても激しく競り合い、興奮した」と話した。馬券の購入は「夫に聞いて、勉強してから」といい、次の機会でビギナーズラックを信じて「勝ってたくさんのお金を稼ぎたい」と述べた。

子どもたちが夢中になった、おもちゃすくい

 千葉明総領事は、ジャパン・ファミリーの参加者の多さを喜び「競馬と日本の紹介をうまく組み合わせて、とても楽しいイベントを開いてもらった」と語り、サンタアニタとイベント主催者に敬意を表した。両競馬場の日米交流について「互いのノウハウの交換は、とても大事だと思う。これからもずっと続けてほしい」と願った。自らの役職名を冠した「日本国総領事杯」を間近で観戦し「とても緊迫したレースで、最後まで団子状だったので目が離せず、随分盛り上がったいいレースだった」と述べた。 「友好を深めるために」 主催者の鳥海さん

【写真左】宮城能松社中による古典琉球舞踊

 ジャパン・ファミリーデーは、競走馬の輸送業務とコンサルティングを行う日系の「U.S. Equine」社(本社トーレンス)が毎年主催している。同社社長の鳥海敬さんは、イベント開催のきっかけを「お互いの競馬場の友好関係を深めるために何か手伝いたい」という一心で、両者を取り持ち「普段、競馬場に来たことのない人が来て、日本文化を楽しんでもらおう」と企画したという。年々規模を拡大し、来場者数も増えたことに「競馬場側も協力してもらい、ここまで育てることができてよかった」と胸を張る。  鳥海さんは、サンタアニタ・パークの楽しみ方について、コンサートやバーベキューのコンテストなど、シーズンを通しさまざまなイベントを毎週開いていることを強調し「家族みんながピクニック気分で来て楽しめる。アメリカでは、競馬は一つのスポーツとして定着しているので、このきれいな競馬場を一度見に来てほしい」と願った。

日系少女のチアリーディングは、クライマックスで日の丸を広げた


「パーン」と打ち合う音が響いた剣道の実演


けん玉に興じる子どもたち


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