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日系社会に根付き10回の節目:継続の鍵は、強い団結力

「甲州のレジェンド・信玄公」を製作中の山梨県人会メンバー

 二世週祭実行委員会、小東京交番、南加県人会協議会が協賛するロサンゼルス七夕まつりが10、11、12の3日間、全米日系人博物館とロサンゼルス現代美術館(MOCA)に隣接した広場で開催された。今年は当地で七夕まつりが始まって10回の節目の年。「小東京を活性化させたい、かつての賑わいを取り戻したい」との思いから始められたこのイベントには、7つの部門に100を超える七夕飾りが出品された。【麻生美重】

中込靖成さんの描いたデザイン画


「信玄公」の頭部を工夫しながら作る同会メンバー

 LA山梨県人会(込山純子会長)はこれまでにも七夕飾りを出品し、受賞経験もある参加常連団体。今年の作品「武田信玄公」は、山梨、東京、LAを拠点に活動する同県出身画家の中込靖成さんにデザインを依頼したもの。中込さんの描いた「甲州のレジェンド・信玄公」のデザイン画には、アイデアがぎっしりと書き込まれており、「大作になる」ことを予感した製作メンバーは2年越しで作ることを計画。  もう一人の立役者は、さまざまな日系団体で七夕飾り作りを手伝う大石克子さん。同県人会は出品のたび相談に乗ってもらうという。今回もデザイン画を見せて、使用する紙の質や形、折り方などのアドバイスを受けた。鎧(よろい)の「草摺(くさずり)」(スカートのような部分)を折り紙で作ることにし、どんな折り方が鎧らしいか、大石さんがサンプルをいくつか用意した。吹き流し部分に貼る折り鶴は数が必要なため、誰にでも簡単に作れて厚みがなく、さらに貼りやすい形を考案してもらった。  メンバーのラスロップ・望月千恵さんは「製作段階では行き詰まることもあった」と振り返った。「作業が進まない時、『こうしたらどうか』とメンバーの子どもがアイデアをくれた」12歳の女子の助言で行き詰っていた箇所に風穴があいた。  望月さんは今年の制作状況を見て、チームワークが一段と良くなったと感じた。その結果、今回のテーマ『心を一つに』に沿う形となった。

羅府新報社も初入賞

 羅府新報社の作品もビジネス部門で初の1位となり、社内は喜びに沸いた。制作チームは社員とその家族。新聞発行のかたわら、短期間集中で作り上げた。  初めて七夕飾りに取り組んだ原田あかりさんは「ポンポン(フラワー)を早く上手に仕上げることが楽しかった」と話した。今年の干支「犬」をデザインし、新聞社らしく二世週祭特集号の紙面を利用するなどした。作業全般をリードした羅府新報デジタルスペシャリストの國遠貴永は「今回の受賞はSNSの利用にも力を入れている当社にとって大変な後押しとなる。時代の流れに対応する努力を今後も続ける」とした。

七夕まつり会場を訪れ、1位の結果を祝う望月さん(右から2番目)と同会メンバー

  会場の規模や参加ブースの減少、とくに食べ物を扱うブースが減っていることを危惧する声も聞かれる中、日系以外の来場者からは「日本文化を知るのに役立つ」、「こんなにきれいな飾りが手作りと知って驚いた」などと良好な感想が相次いだ。  日系社会に根付いたLA七夕まつりをさらにもう10回継続させるには、新1世以降の世代とコミュニティーとの強い団結が求められるだろう。【麻生美重】

ビジネス部門で1位となった羅府新報社の七夕飾り


2年越しで完成し、部門1位となった山梨県人会の作品

今年の受賞は以下の団体と個人に贈られた。

 アニメ・マンガ部門 1位 ニコラス・湊・グラドコフ 2位 We Be Cute 3位 米国宮崎県人会 4位 SPJAアニメ・エキスポ

ビジネス部門 1位 羅府新報 2位 大志柔道クラブ 3位 安全金物店 4位 ビジネストリッパー

公共団体部門 1位 ロサンゼルス市立図書館小東京分室 2位 サンゲーブルバレーサービスセンター 3位 サンゲーブルバレーサービスセンター 4位 サンゲーブルバレーサービスセンター 5位 LA市市議会議員ミッチ・オファレル

今年のテーマ「心を一つに」部門 1位 ビジュアル・コミュニケーション 2位 西大和学園 3位 南加栃木県人会 4位 ヤスコ・サンカ 5位 南加愛媛県人会

家族・個人部門 1位 ニコラス・ミナト・グラドコフ 2位 ポピー・クウォング 3位 グレゴリー・タカシ・グラドコフ 4位 柴田法子 5位 タカシ・ナカザワ

南加県人会協議会部門 1位 ロサンゼルス山梨県人会 2位 広島県人会 3位 広島県人会 4位 南加山口県人会 5位 米国宮崎県人会

非営利団体部門 1位 全米日系人博物館 2位 倫理研究所USA 3位 東サンゲーブルバレー日系コミュニティーセンター・カラオケクラブ 4位 イースト・ウエスト・プレイヤーズ 5位 キャンパス・日本語・クラブ

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