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日米文化会館と宮崎県が連携:県産品の販促、観光・文化交流も

連携協定の調印式に参加した関係者。左から日米文化会館のヘンリー・オオタ共同理事長、西本JETROロサンゼルス事務所所長、イトウ館長、河野知事、中田哲朗・宮崎県商工観光労働部長、森ジョージ・南加宮崎県人会長

 日米文化会館(レスリー・イトウ館長)と宮崎県(河野俊嗣知事)は、宮崎の農水産物や加工品などの県産品の米市場での販売促進と、県と米国との観光・文化など多様な交流を図る連携協定が合意に達し4日、日米文化会館で調印式を催した。イトウ館長と河野知事が協定書に同時に署名し、正式に締結した。

 河野知事によると、両者を取り持ったのは、日本勤務時代に地方創生事業を担当し、JETRO宮崎事務所を立ち上げた際に知り合ったJETROロサンゼルス事務所所長の西本敬一氏だとし「キーパーソンである」と強調。県はさらなる海外展開する上で、西本氏のロサンゼルス転任に合わせ協力を求め「宮崎県グローバル戦略アドバイザー」に任命。海外との経済交流を加速させる施策への助言や各種情報提供、県産品のPRなどを通して、県経済のグローバル化を図っている。

宮崎県産の杉で作られた協定書に署名するイトウ館長と河野知事(奥)

 知事は、今年2月と5月に宮崎牛と宮崎県産の焼酎のプロモーションのために、ロサンゼルスを訪れた。その際に日米文化会館が、日本料理教室など新たな活動を展開することを知り「宮崎牛や宮崎のお茶など、県産品を提供できる」と確信したという。イトウ館長から「1度限りではなく、文化面も含めて連携協定し、より深い交流をしたい」と打診されたことから、合意に向け協議を重ねた。両者の思惑は合致し、提携が実現。知事はまた、会館が力を入れる弓道や神楽など豊かな伝統文化を県が継承しているとし、今後の関係発展に意欲を示した。  調印式であいさつに立った知事は、県が推進するグローバル戦略の中で「海外にさまざまな形で打って出たいという時に、このような形で、タイミングを得た。アメリカの日系社会で影響力の大きい日米文化会館との協定は、たいへんありがたい」と喜んだ。「協定締結により、アメリカへの県産品輸出を加速させるとともに、観光、文化の多面的な交流ができる。将来的に連携が強まるにつれ、会館とわれわれの県の繁栄、ひいては日米関係の強化につながる」と期待を込めた。  2月に知事一行が会館を訪問して以来、県庁からの訪米団を待ち兼ねていたというイトウ館長は「特別なパートナーシップを宮崎県と結ぶことができ、とてもうれしい。提携の永続を願いたい」と述べた。提携について「われわれにとって完璧な機会であると思った。目標に向け、アイデアを分ち合い、人的交流も進めたい。コラボレートには、われわれのカギとなる要素を含ん

正式に協定締結し、固い握手を交わすイトウ館長(左)と河野知事

でいて、新たなプログラムである日本の食、食材、料理、料理の技術を伝える上で、質を高めることができる」と話した。JETROと宮崎県人会の協力を得ながら「日系社会の枠を超えて、さまざまな違ったバックグラウンドを持つ南カリフォルニアに住む人々に日本と宮崎の文化を紹介していく」と語った。  館長は、会館主催の年次ガラディナーのメニューで「パティナ・レストランが調理したミヤザキ・ビーフをすでに提供し、われわれの大切なゲストにとてもおいしい、と言ってもらい好評だった」と胸を張った。また、宮崎が日本屈指の茶所で、日本初のオーガニック茶畑を持ったことを「(健康指向の)アメリカ人に関心の高いことで、受け入れられるだろう」と評価した。  宮崎県の海外との連携は、企業や大学のみで、文化団体は同館が初という。米市場に切り込む上で、知事は「文化の厚みのある南カリフォルニアとロサンゼルスそして、日本文化を発信する日米文化会館の手伝いができ、その手伝いを通じて宮崎をアメリカの皆さんに知ってもらいたい」と希望。宮崎牛は、日本からの和牛の対米輸出の約4割を占めるといい「宮崎牛に続き、お茶や焼酎(出荷額2年連続日本一)などのプロモーションを行い、持続的に連携を図りたい」と抱負を述べた。  調印を見守った西本氏は、協定締結について「日本の自治体と米国日系人社会の連携の契機となれば、とてもうれしい」と述べ、「他の自治体との連携がさらに促進され、日本の地方創生につながるとともに、米国日系人社会の活性化につながればいい」と願った。  文化会館は、調印式を終えた同日の午後には早速、宮崎の緑茶の紹介イベントを催した。県から来米した井ケ田製茶、太地園、宮﨑茶房の3社が参加し、おいしい飲み方を紹介して振る舞い、釜炒り茶の製法などを実演した。【永田潤、写真も】

調印を終え、笑顔のイトウ館長(左)と河野知事


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