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新天皇陛下の即位祝い記帳:「令和にあやかり日系社会団結」

新天皇陛下の即位を祝い記帳する二世ウィーク・ファンデーションのジョイス・チンさん(手前中央)ら日系諸団体の代表

 新天皇陛下の即位に祝意を示そうと日系8団体の代表が7日、記帳所が設けられた在ロサンゼルス日本総領事館を訪れた。各代表は、新たな時代を好機ととらえ「『令和』にあやかり日本とともに日系社会の団結につなげたい」と、願いを込めて認めた。

記帳する日米文化会館暫定館長のダレン・モコさん(手前)と南加日商会頭の川田薫さん(右奥)

 記帳に訪れたのは、南加日系商工会議所、南加県人会協議会、日米文化会館、日系パイオニアセンター、オレンジ郡日系協会、南加庭園業連盟、小東京実業者組合、二世ウィーク・ファンデーションで、日米の関係を取り持つ団体ばかり。令和の幕明けに希望を抱く各代表は記帳に向う前に、日系社会の未来について話し合う会議を南加日系商工会議所の事務所で持ったという。約1時間にわたり、活発な議論を交わし、これからの時代に即した意見が提案された。  「人口の減少、高齢化が進む日系社会には団結が不可欠」「定期的に諸団体が集まり、連絡会議を持つ」「協力体制を整え、イベントの主催団体を他団体が支える」など、おおまかな目標を立てた。これらを各団体に持ち帰って、協力の輪を広げるといい「日本が新しい天皇を迎え、日系社会が再びまとまるいい機会にしたい」「令和にあやかり、日系社会が力をつけよう」などと、意欲を示している。  南加日商会頭の川田薫さんは「新しい時代を祝うことによって日系社会の一致団結につなげたい。関係団体が横につながることが、社会にとって一番の強みになる。日本人として、新しい時代を祝うのは当然。お祝い事は、めでたいので団結しやすく、反対する人などいない」と力説する。  即位を祝う日系社会を挙げての式典開催も議題に上った。10月22日に開かれる即位の礼ころを予定し、日本と同時期に開

記帳台に飾られた新天皇皇后両陛下の写真

くことで祝賀の機運を高めるのが狙いだ。「即位礼正殿の儀」には、195カ国から代表らが招かれ、祝宴やパレードも行われることから「日本の盛大な祝賀に倣い、日本人、日系人、親日家のみならず、一般からできるだけ多くの人々と人種、幅広い年齢層を集め、天皇皇后陛下の写真を飾り、国旗を掲げ、国歌を歌い、『天皇陛下、バンザーイ』と祝いたい」  総領事館によると、7日正午までに約130人が記帳を済ませたという。楠本幸朗さんと谷岡歩美さんは、バーバンクの勤務先から昼休みを利用して訪れた同僚。楠本さんは「天皇の即位は一生に1度か2度しかないことで、離れて暮らしていても日本国民なので祝いたかった」と話し「新しい時代に入り、天皇と皇室が国民により近い存在に感じるようになった。天皇制は世界でも日本唯一のものなので、これからも続いてほしい」と希望した。山岡さんは「せっかくの記帳できる機会なので、お祝いしたい気持ちになり来た」という令和の新時代に思いを込め「私と同じ世代の人が、楽しく仕事ができる日本になって、いい時代になってほしい」と語った。  南加県人会協議会会長のハッピー水谷さんは、天皇の代替わりについて「日本人にとっては、ものすごく大きな出来事。象徴の天皇は日本人にとって特別で、日本の中心的な存在だと思う。新天皇と雅子皇后は、とてもすばらしい方なので、前天皇と同じように日本のために頑張っていただきたい。前天皇陛下には『お疲れさまでした』と言いたい」と述べた。元号制は「大正、

バーバンクから昼休みを使って訪れ、祝賀記帳する楠本幸朗さん(左)と谷岡歩美さん

昭和、平成生まれなど、日本人なら誰でも自分が誕生した時代に思い入れがある。世界で日本だけなので誇っていい」と話した。県人会協議会会長として近年で最も若い水谷さんは、日系社会の人口減と高齢化問題を直視しており「(県人会協議会の活動の趣旨の)日本文化継承と日系社会の発展に役立つことを忘れずに、令和の新しい時代を契機にこれからは、若い人を取り込むことを考えたい」と語った。  総領事館で行われている天皇の即位を記念した一般の祝賀記帳は6日に始まリ10日までで、受け付け時間は午前10時から午後4時。記帳の際には、ビル1階のロビーの案内所で入館手続きが必要で、運転免許証やパスポートなど写真付き身分証明書を必ず持参し、案内所では来館目的が「記帳」(sign a Book of Congratulations)であることを伝える。帳簿には、記帳者の住所と名前のみでメッセージ欄はない。祝賀献上品は、受け付けない。帳簿は受け付け終了後、天皇陛下の下に届けられるという。  電話213・617・6700。 【永田潤、写真も】

日系諸団体の他の代表に見守られ記帳する南加県人会協議会会長のハッピー水谷さん


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