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平成最後の天皇誕生日:招待客480人、盛大に祝う

天皇誕生日を祝い乾杯する参加者。中央が千葉明総領事

 来年4月30日に退位される天皇陛下の平成最後の誕生日のレセプションが11日、総領事公邸で開かれた。招待客約480人に和食を振る舞い、野点を開いてもてなし、陛下の85回目の誕生日を盛大に祝った。

あいさつに立つ千葉総領事

 あいさつに立った千葉明総領事は、陛下が即位された30年前について、天皇誕生日はクリスマスの2日前の12月23日のため「レセプションのゲストを招くのは外交官にとってチャレンジだった」と振り返った。今年のレセプションは、ユダヤ教の伝統行事「ハヌカ」の後に決めたが「祝杯用のコーシャーの酒を用意している」と冗談を挟み、場を和ませた。退位の来年4月30日で平成時代が幕を閉じ、新天皇の誕生日の2月23日に祝日を変更することを紹介した。  改元と同様に日本にとって来年の大きなイベントは、アフリカ開発会議、G20、ラグビーワールドカップのホストの大役を務めること。自然災害に見舞われたが、復興を遂げているとし「日本にお越し下さい」と希望し、国際社会からの温かい支援に謝意を表した。  今年の話題として、安倍首相とトランプ大統領による日米の蜜月ぶり、前田投手のドジャースの2年連続ワールドシリーズ進出、大谷選手のア・リーグ新人王選出を列挙したが、最大イベントとして「ジャパン・ハウスの全館開館だ」と強調。マーク・タカノ下院議員や日本から河野太郎外務大臣をはじめ国会議員が出席した開館式典を催し「まだの方は、ぜひ来館を」と呼びかけた。

乾杯の音頭をとるジョージ・タケイさん

 中国の6倍という日本の加州への投資額、雇用者数はともに最大で、来年60周年記念の名古屋―LAの姉妹都市など日米が友好を深める一方で、政治的に緊張状態にある北朝鮮の動きに警戒を呼びかけるとともに,日米・日米韓の協力関係の維持への支援を呼びかけた。  招待客の南加日米協会のダグ・アーバー会長は、1994年に天皇皇后両陛下が訪米された時に、同協会がビバリーヒルズで主催した歓迎会で、オフィシャル・フォトグラファーを務めた。タキシードを着用して臨み、加州知事とLA市長らが同席したVIP室で「両陛下はとても温かく迎えて下さり、とてもラッキーで光栄だった。話す機会もあったけど、崇拝しているのでためらった」と、心残りがあるという。  2007年には、東京の日米協会創設100周年記念式典で再び両陛下にお目見えすることになり、アーバー会長は初めて陛下と握手して感動したという。皇后さまからは、きれいな英語で「あなたは南カリフォルニア日米協会の会長ですね。2009年に100周年を祝うことを知っています。お知らせ下さい」と、思いがけない言葉をかけられ「とてもショックで、妻と夢を見ているようだった。最高の思い出」

元ドジャースのオーナーのピーター、アネット・オマリーさん夫妻(右)を笑顔で迎える千葉総領事夫妻(左)

 皇室や日本の大臣が南米を訪れる際にLAに立ち寄るが、日系社会を訪問できないことがあり、残念に思う声が上がる。それに関しアーバー会長は「南加は日本からのアメリカのゲートウエーなので、ぜひ来ていただきたい。日系社会を挙げて歓迎する。天皇にお会いすれば、日米関係に就く人は、大きな励みになる」と力説。即位式については「とても楽しみで、興奮している」と、心待ちにする。  オレンジ郡日系協会名誉会長の三宅明己さんは、昭和天皇の崩御の際に南加日商の会頭を務めていたことから、日系社会を代表する5人のうちの1人に選ばれ、大喪の礼に参列したという。三宅さんは米国で生まれ、日本で育ち教育を受けた帰米2世。第2次大戦中はユタ州の農園で過ごし、家族のいる敵国となった日本を案じた。二つの祖国の狭間で人生を翻弄されただけに「天皇陛下が亡くなり、激動の昭和が終わって悲しかった」

ジャパンハウス・ロサンゼルスの出張展示

 平成天皇の即位の礼にも臨席し、招待者2500人とともに祝福。その数日後の園遊会で陛下に謁見し「即位式を拝見し感動しました。おめでとうございます。日本の将来のために頑張って下さい。私たちも日本とアメリカのために頑張ります」と話すと、陛下は「遠くからお越し下さりご苦労さまです。アメリカで頑張って下さい」と、励まされ「感無量で、涙が出るほどうれしかった」。それから十数年後に陛下が日米文化会館を訪問された時には、受勲者として招かれ「感動の連続だった」  大正8年(1919年)生まれの三宅さんにとって、来年の改元は人生3度目、そして目標とする満100歳を迎えるため「記念すべき年になる」といい「次の天皇は代々受け継ぐ大和民族の魂を持っている」と、興奮した面持ちで話し、声を張り上げた。「天皇陛下、バンザーイ」【永田潤、写真も】

野点を開き約80人の客をもてなした小笠原煎茶道南加支部。亭主を務める大社翠真教授(左)と、第一童子の國宗奈緒美さん(右)


天皇誕生日を祝う饅頭が振る舞われた


出来立てほやほやのたこ焼きは人気だった


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