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全米各地で一斉に開幕:鈴木のウォリアーズは惜敗

センターで先発出場し、ノーズガードではピンチを救った鈴木

 67チームが所属する女子プロアメリカン・フットボールリーグ(WFA)は1日、今季初戦を全米各地で行い、一斉に開幕した。鈴木弘子のロサンゼルス・ウォリアーズは、ライバルのサンディエゴ・サージを地元に迎え、40—41で惜敗した。

 開幕戦で、いきなり優勝候補同士がぶつかった。2012年に全米王者に輝いたサージは、昨年チーム事情で休部し、今季にかける思いは強く、満を持してのリーグ復帰。試合はウォリアーズが開始早々、ガードナー(一昨年のリーグMVP)のタッチダウンで先制。だが、リーグ一と評されるサージのQBメリッサのパスは1年のブランクを感じさせず健在。ウォリアーズはロングバスを決められ、またキックオフでもミスを突かれ2タッチダウンを献上した。第1Qを終え、6—20。

スナップを出す鈴木

 ウォリアーズは第2Q、劣勢を跳ね返す。走れるQBケニーがランフェイクパス、オプションを使って多彩なプレーを展開し詰め寄り、前半を26—27で折り返した。  後半も一進一退の攻防が続いたが、キッカー不在のウォリアーズは、弱点を露呈してしまう。タッチダウン後にゴールを狙って蹴る選手がおらず、最後まで2点コンバージョンをせざるを得ず1点に泣き、ウォリアーズの対サージ初勝利は、次の機会に持ち越しとなった。ウォリアーズは翌日すぐさま、ケガから復帰したキッカーを補強した。  センターで先発したベテラン鈴木は、新人の多いチームをオフェンスで引っ張った。緊急時にはまた、ノーズガードを任され、相手QBに幾度もプレッシャーをかけた。もう1人の日本人選手、濵口芙由紀はワイドレシーバー、リターナーとして出場。前半に膝を負傷し途中退場したが、後半戦列に復帰した。  鈴木によると、チームは去年ディフェンスに助けられ、今年はオフェンスの強化を図り、得点が奪えるチーム作りに徹したという。この日の試合について鈴木は「キッキングゲームと、相手のパスにやたれた」と敗因を分析。「弱点が明確になり、ほんの少し軌道修正をするだけ」と前を向いた。

前半終了間際、ノーズガードとして出場し、相手QBにプレッシャーをかける鈴木

 強豪がそろった同地区は激戦が必至で、鈴木は「上位チームの星のつぶしあいになると思うが、実力はどこも差はない。今年は本気で優勝を狙い、何としてもこの地区で競り勝ち、ダラス、そしてWボウルの決戦の地、ピッツバーグへと駒を進めたい」と、チーム初、自身は2度目の全米制覇を目指す。  鈴木は一昨年、チームの共同オーナーに就任し、選手との二足のわらじを履く。オフ中はトレーニングのかたわら、リクルーティングにも力を注ぎ、今季は42人の選手を登録させた。  この日の開幕戦には、過去最高という約400人が観戦、大きな声援が飛び「とても雰囲気がよく、選手のモチベーションも上がった」と喜んだ。また今季からリーグの試合のインターネット配信が始まり「その記念すべき開幕戦の放映カードに、ウォリアーズが選ばれて光栄。これからも頑張るので、ぜひ試合を見に来てほしい」と話した。  WFAは6月中旬スタートのプレーオフまで、各チームがホーム、アウェイ各4試合、計8試合を戦う。ウォリアーズの次戦は、ウルフパックを相手に敵地(ベンチュラで8日土曜午後6時キックオフ)に乗り込む。  チケットは10ドル。 pacwarriorsfootball.org/

インターセプトタッチダウンを目指すウォリアーズのティファニー・ハンフリー


鈴木らのリクルートが実を結び、42選手が登録した。ウォリアーズは、心を一つにし優勝を目指す


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