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ベニスのホームレス射殺事件:警官の行為「正当ではない」

 昨年5月にベニスビーチで武装していないホームレスの男性がロサンゼルス市警察(LAPD)の警官ともみ合いになった末、銃で打たれ死亡した事件で12日、LA市警察委員会は男性を撃った警官の行為は正当ではなかったとの判断に至った。

 死亡した男性はブランドン・グレンさん(当時29)。グレンさんを撃ったクリフォード・プロクター巡査は、グレンさんがプロクター巡査の同僚の拳銃を奪い取ろうとしたため発砲したと主張。しかしLAPDのチャーリー・ベック本部長は同日、同警察委員会が防犯ビデオなどを検証した結果、プロクター巡査が発砲したのは正当な行為ではなかったとの結論に至ったと発表した。  ベック本部長は「死に至る武力行使が必要になるほど、状況が緊迫化する危険性があったとは見受けられない」との声明を発表した。  事件は昨年5月5日午後10時半頃、ベニスビーチからほど近いパシフィック・アベニューとウィンドワード・アベニューの交差点付近で発生した。ベック本部長の報告によると、ホームレスの男性が通行人に嫌がらせ行為をしているとの通報を受け、プロクター巡査らLAPDが現場に駆けつけた。  警官はグレンさんにその場から立ち去るよう促し、グレンさんはいったんはその呼び掛けに応じたが、再び付近で叫びはじめ、近くのバーのドアマンと喧嘩をはじめたため、警官はグレンさんを拘束しようした。しかし手錠をかける際、グレンさんは激しく抵抗し、プロクター巡査の同僚の拳銃に手を延ばしたためプロクター巡査は2発を発砲したという。  しかし後日、同僚の警官は、拳銃を触られた感触はなかったと証言。防犯ビデオにも、グレンさんが拳銃に手を触れている様子は映し出されていなかったという。  検死結果によるとグレンさんからは高濃度のアルコールとマリファナが検出されている。  LAでは昨年3月にも、ダウンタウンのスキッドロウ地区でホームレスの男性がLAPDの警官に射殺される事件が発生している。【吉田純子】

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