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ハーモニーで聴衆を魅了:被災地熊本へ大合唱のエール

「花は咲く」の合唱をリードする生徒たち

「花は咲く」の合唱をリードする生徒たち

 歌のインストラクター新原由美さんと、新原さんの教え子が共演する秋恒例の歌謡ショー「歌の仲間たちと共に」が11月27日、ホリデーイン・トーレンスで開かれた。生徒は特訓したハーモニーなどを披露し、聴衆230人を魅了。参加者を巻き込んだ大合唱では熊本地震からの復興を願い、心を一つにして声を合わせ、被災地にエールを送った。

「花は咲く」の合唱で、会場を練り歩き参加者にマイクを差し出す新原さん(右)

「花は咲く」の合唱で、会場を練り歩き参加者にマイクを差し出す新原さん(右)

 晴れの舞台に上がった歌の仲間たち約30人は、日本語と英語の演歌やポップスなど、新旧さまざまなジャンルの約40曲を披露。ソロにデュエット、合唱、そしてバックダンサーが舞うなど、趣向を凝らした演出で会場を沸かせた。  今回、特に力を入れたのがハーモニーだ。新原さんによると、ハーモニーは「インテンポ(正確な速度)を保って歌わない限り、色彩豊かに奏でることはできない」と、習得の難しさを強調する。さらに「たとえ音が取れたとしても、共演者それぞれが他を尊重し、歌に対する考えを一致させない限り、ハーモナイズされない」と言い切り、チームワークの重要性を説く。生徒は2人または3人が1組になって、指導された通りに、心を通じ合わせて歌い上げ、大きな拍手を受けた。  観衆との合唱は、被災者を励ます応援歌としてよく歌われる「花は咲く」を披露し、一日も早い復興を祈った。ショーは生徒の発表に加え、慈善の目的も兼ねており、主催者のLA歌謡クラブは毎回、イベントの収益の中から寄付を行っている。今年は、被災地熊本に1000ドルを贈り席上、贈呈式を行い、南加県人会協議会会長のジョージ森さんと、南加熊本県人会会長の沖田義邦さんにチェックを手渡した。義援金は、熊本県人会を通し、被災地へ送られる。  沖田さんは「震災から約7カ月が経過したが、LA歌謡クラブと日系社会のみなさんは、熊本の被災を忘れないで寄付してもらい、本当にお世話になってい

熊本地震の寄付金贈呈式。左から新原さん、沖田さん、森さんと司会を務めたタック西さん

熊本地震の寄付金贈呈式。左から新原さん、沖田さん、森さんと司会を務めたタック西さん

る」と謝意を表した。復興状況は熊本市内は進んでいるが、郊外はまだ先が長いといい、募金活動について「あと5年続けていきたい」とし、継続した支援を求めていくという。  ショーを終え、新原さんは「レッスンでいっぱい怒ったけど、譜面を読むことができない生徒が、頑張って付いてきてくれた。アマチュアらしく元気に歌ったので100点をあげたい」とたたえた。「結果的に『できた』、『できなかった』は問題でなく、目標に向かって突き進んだチャレンジ精神を認めたい。何よりも生徒が『やってよかった」という気持ちを持ったことが、うれしい。指導者冥利に尽きる」と、達成感に浸りながら話した。  ハーモニーについては「ただでさえ難しいのに、声のトーンを合わせ、音の重なりと音の波長を同調させることに気を配りながら『次は、あなたの番よ』『ここは、みんなで』などと、相手を思い遣る気持ちを最後まで切らさなかった」と評価した。「ハーモニーができたら、ソロにもつながる」と力を込め、「相手の声の質を感じたり、ピッチの取り方など、ソロで歌っただけでは気付かないことを身に付け、自信を着けたことだろう」と話した。「今年のショーで、すごく手応えを感じたので、優しさや力強さなど、フィーリングの表現を伸ばしたい」と抱負を述べ、生徒の個性を生かした指導を施す考えを示した。【永田潤、写真も】

「春よ、来い」のハーモニー。左から井上みどりさん、前本紀子さん、筋師美智恵さん

「春よ、来い」のハーモニー。左から井上みどりさん、前本紀子さん、筋師美智恵さん


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