永井豪さん、特別ゲストで参加:熱狂的ファンとふれ合う
ファンとのふれ合いを楽しむ永井さん(中央)
質疑応答で、ファンの感謝の言葉に笑みを浮かべる永井さん
第27回「アニメエキスポ」(5〜8日、ロサンゼルス・コンベンションセンター)に「デビルマン」や「マジンガーZ」「キューティーハニー」など数多くの名作を世に送り出してきたマンガ界の鬼才、永井豪さんが特別ゲストとして招かれた。7日には「キューティーハニー・ユニバース」と題した討論会に参加し、ファンとのふれ合いを楽しんだ。
1967年にプロデビューした永井さんは、画業50周年の記念アニメ化作品を昨年からリリースしており、キューティーハニー・ユニバースは、マジンガーZ・インフィニティー、デビルマン・クライベイビーに次ぐ最新作。
熱狂的なファンのスタンディングオベーションの拍手で迎えられた永井さん。作品のライブドローイングでは、キューティーハニーに加え、リクエストに応えてデビルマンも描きまた、じゃんけんゲームでは勝者に直筆サインポスターを贈る旺盛なファンサービスぶりで参加者を喜ばせた。
じゃんけんゲームでファンとのふれ合いを楽しむ永井さん
質疑応答で、ファンは質問する前に作品への思いや永井さんへ感謝の言葉を贈った。「キューティーハニーは、アンドロイドでも優しい心を持っている」「いろんな作品からインスパイアされた」「デビルマンは悪魔でありながら人間の良心を持ったキャラクターを描いて、優しい心を持つことの大切さを描いている」との指摘に永井さんは「その通り」とうなずいた。中にはメキシコから来たファンや「アイシテイマス、ナガイセンセー」と叫ぶ女性もいた。性格が良く控え目の永井さんは、称賛に対し照れながら笑顔で謝意を表していた。
漫画家を志したきっかけは「4歳の頃、手塚治虫先生の漫画を見て、自分もこんな風に描きたいと思って、まねしたのが始まり」といい「自分が楽しいことは、喜んでくれる人がいると思っているので描いている」と信念を抱く。創作活動のエネルギーは「多くの映画を見ていて、自分の創作の元気の源になっている」。50周年のプロジェクトについて「魅力的なので、このシリーズを楽しんでほしい」と呼びかけ「100周年も愛される作品になればいいと思って描いている。100年まで描ける」と、力を込め万雷の拍手を浴びた。
「世界一のキューティーハニーファン」と豪語し、永井さんに質問するサルバトーレ・マローネさん(左)
「世界一のキューティーハニーファン」と豪語したサルバトーレ・マローネさんは、このイベント参加のためにはるばるニュージャージー州から参加したという。「素晴らしいデザインとストーリーで、ユーモアのセンスがあってとてもおもしろい」と、社会性とコミカルさを兼ねた作風を絶賛。自らがスケッチしたキューティーハニーのプリントを永井さんに手渡し、そのストーリーの内容について「(敵の)パンサー・ゾラとなぜ戦わないのか」と尋ねた。永井さんは「戦うつもりでいるが、息切れしてしまう」と答えたが「この次は必ずゾラを倒したいと思う」と意欲を示すと、期待を込めた大きな拍手が送られた。
1970年頃、サンディエゴで開かれた「コミコン」に手塚治虫さんと一緒に参加したという。その時と比較し「こんなにたくさんの日本のアニメ好きが増えるとは思わなかったので、すごく感激している」。今エキスポで、開場を待つ無数の来場者(4日間で延べ35万人)を目にし「日本のアニメを愛する人がこんなに増えたと実感した」と感慨深げに話した。
如月ハニーに扮し、色違いの同じコスチュームに身を包みポーズをとるファンのスワンソンさん(左)とキシビさん
ロサンゼルスに住むレベッカ・スワンソンさんと、ラスベガスから来たコーリ・キシビさんは、今回のイベントで初めて知り合った。ともに手作りで色違いのキューティーハニーが変身する前の如月ハニーのコスチュームに身を包みコスプレを楽しみ、写真を並んで撮り、ハニー談義に花を咲かせていた。
バーレットさんは、初めて永井さんに会うことができ「朝から興奮していた。強い女性のキャラクターが好きなので、ナガイさんの作品がとても気に入っている」と述べた。
「キューティーハニーの強くて、おもしろくて、かわいいキャラクターが大好き」というキシビさんは22年間のハニーファン。「ナガイセンセーに会えて同じ部屋の中にいると思っただけで心臓が飛び出しそうだった。握手してもらって気を失いそうだった」と興奮気味に話した。「世界で一番優しい漫画家と思っていたが、実際に会ってみてそうだと確信した。今日からは、ナガイセンセーをドクター・キサラギ(如月博士、ハニーの生みの親)と思って、娘として生きていきたい」【永田潤、写真も】
【写真左】ライブドローイングを行う永井さん【同右】参加者はスクリーンに映し出された永井さんが描くキューティーハニーの写真を撮った
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