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情熱は年齢に勝る

 「人は60歳や65歳になると人生これで終わりと思うもの。しかし年齢は自分が感じた歳で決まる。歳がいくつであろうとやれる仕事はたくさんある」。65歳でケンタッキー・フライドチキン(KFC)を起業したカーネル・サンダースはこんな言葉を残した。  ハリウッドで26日に行われたアカデミー賞授賞式。日本のスタジオジブリが製作に関わった「レッドタートル ある島の物語」が惜しくも長編アニメ部門で受賞を逃した。スタジオジブリは同部門に4年連続でノミネートされており、肩を落とした人も多かったのでは。  その一方で、長編製作から引退を表明していた宮崎駿監督(76)が新作を準備していると引退撤回のニュースが入ってきた。アカデミー賞の数日前、ロサンゼルスで行われたイベントでスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが明らかにしたという。  宮崎作品は日本だけでなく海外でも支持を受けている。今年のアカデミー賞で同じく長編アニメ部門にノミネートされていたライカ・スタジオ制作のストップモーション・アニメ「クボ・アンド・ザ・トゥー・ストリングス」のトラビス・ナイト監督も以前取材した時、「小さい頃から宮崎監督のファン」と語っていた。それだけ今の映画人にも影響を与えているのだ。  宮崎監督といえば、2014年にアカデミー名誉賞を受賞した。授賞式の後、彼が発した言葉が今も心に残っている。「70代の自分はまだまだ小僧だと思った―」。授賞式の会場では映画作りへの情熱を決して失わない80代、90代の映画人たちの姿があった。閉じ込めていた情熱がハリウッドの映画人たちによってふと目醒めさせられたのかもしれない。  冒頭に登場したカーネル・サンダースは、70歳の時にフランチャイズ契約をとるため、全米中で飛び込み営業を開始した。断られること1009回。1010回目で初めて「YES」をもらえた。そして3年後、73歳の時には600店舗を超えるほどまで事業は拡大していた。  情熱をもってすれば、仕事に年齢など関係ないということを過去のあらゆる人たちが証明してくれている。アカデミー賞で宮崎作品が再び名を連ねる日もそう遠くはないのかもしれない。【吉田純子】

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