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在外投票制度の改善

 11月28日、嬉しいことがありました。在外投票の選挙人登録を簡素化する法案が国会で可決されたのです。この改正で海外居住のために出国する人は、従来2〜3カ月を要した選挙人登録が、転出届提出と同時に申請できるのです。また3カ月居住要件も不要になりました。これで出国時の登録手続きは簡単になり、今後選挙人登録者数の増加が期待されます。  しかし現地の投票システムは、まだまだ改善すべき点が多々あります。投票所の増設、郵便投票の投票用紙事前請求制度の周知徹底、投票用紙の請求を公館経由とする、投票済み票のクーリエ制度の廃止による投票期間の延長、選挙広報メールの早期発信、等々です。これらの海外事情を伝え改善点を提案するNPOに海外有権者ネットワーク(JOVA)があります。  私もその一員であるJOVAは、1994年に在外投票を実現するため各地の在外邦人有志が手を結んで設立されました。外から見た日本、外国人の目に映る日本、在外邦人の声などを日本の国政に反映させたいとの思いでした。各地での署名運動、国会への請願・陳情、人権救済申立てを経て、ついに違憲訴訟を起こしました。2006年に最高裁勝訴により公職選挙法改正案が成立、2007年の参議院選挙から比例区・選挙区を含むすべての選挙で在外投票が実施されるようになったのです。  ところが投票率は低迷し、7月の参院選では選挙人登録者でさえ22%(2万3千人)の投票率でした。これは現在の制度が海外の実情に沿わず、非常に使いづらい制度だからです。そのため、JOVAは「在外投票を実現する議員連盟」と連携しながら、その後も制度の改善運動を進めています。先日、議員連盟の総会が開かれ、JOVAはヒアリングに応じて海外の実情説明と数々の改善を提案しました。  英国のEU離脱、各国における右傾化政党の台頭、広がる所得格差と希望を失った人々の不満の爆発、米大統領選のトランプ候補の勝利など、世界は流動と混沌の様相を示しています。こんな時こそ在外邦人の生の声を届ける在外投票の意義があるのではないでしょうか?【若尾龍彦】

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