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冬を求めて

 冬季オリンピック会場は極寒、記録的な大雪の日本、日本だけでなく東部の寒波の中、このLAの陽気に冬だということを忘れる。ここ数日は、やっと冬が来たか、という寒さにはなったが。  予定がキャンセルされて、日数の余裕ができたので、日本行きを思い立った。この寒い時に、と周りの人たちは心配をしてくれるが、身が引き締まる寒さと雪に会えると楽しみにしている。雪かきの筋肉痛も、凍った道路を細心の注意で歩く、スリップしないようブレーキに気を付けた運転に縁遠くなって24年、懐かしく思い出す。  寒さの厳しい気候は、決して楽ではないし、寒さが好きというのでもない。しかし、年中温暖の中では感じることのない、寒さに耐えて春を待ちわびる気持ちはより強く、雪の下からのぞくふきのとうやフクジュソウに感動して、気温が低くても、もう少しの我慢と雪解けを待つのは喜びだ。  日本行きを伝えた高齢者が、「雪が見られたらいいね」と言った。「年中ぼーっと暖かいところにいるとダメだね。緊張感も何もなくなる」と言った後に、懐かしそうに雪の季節にまつわる話を次から次へと途切れなく話した。日本語を話す人がいない施設で暮らして、記憶も時々おぼろげになってきていたので、久々の新しい話題に驚いた。寒さと雪を楽しんで来て、と笑った。寒い、雪から連想される厳しさの持つ緊張感は、脳にも刺激を与えるのかもしれない。  訪問地の予想気温は、最高気温で氷点下。対応する衣服は、少々気がかりではあるが、期待の方が大きい。雪がなく、ただ寒さだけがこれまで以上だと言っていた実家でも、先日雪が降ったという。  それにしても、思い出して会いたい知人に連絡を、と電話したが、ことごとく通じないのには困った。手紙を出したり、連絡の取れる知人に頼んで連絡を取ってもらった。EメールもLINEも全く縁のない知人ばかり。知らない番号には出ないという、リスク回避だけは知っている。役立たずの電話にほとほと参った。本当に寒い世の中になったものだ。通信手段が多くなって便利だが、悪用が上回る。手紙を書く、思いが入って温かいということか。【大石克子】

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