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ダ・ビンチとカラコン

 若い女性の間でおしゃれのためのカラコンがはやっているという。「カラコン」カラーコンタクトレンズだ。黒目を大きく見せるためだとか。メークや髪の色に合わせて瞳の色を変えることも出来る。視力矯正という従来の目的を超えて著しい進歩だ。  コンタクトレンズの原理を最初に考えたのは、レオナルド・ダ・ビンチだとか。目の仕組みを研究していて、水を張ったガラス製のボウルに顔を浸け、目を開けてみると外界の見え方が変わるということを発見した。500年以上前の話に何かロマンを感じる。  日本のコンタクトレンズの歴史はまだ60年くらいというが、レンズ開発のエピソードが面白い。戦後間もなく、若き日の創業者が勤める老舗眼鏡店の常連客だった米軍将校夫人が「コンタクトレンズを持っている」と言うので、見せてもらいたいと何度も頼むが、ハンドバッグの中のその物はとうとう見せてもらえなかったというのだ。それで〈アメリカ人に作れて日本人に作れないはずがない〉と彼の研究心に火がつく。眼鏡のフレームに使うアクリル樹脂を丸く削って自分の目に入れてみるということを繰り返し、研究を重ね、わずか3カ月で日本製のプラスチックレンズの原型を完成させている。  私の「コンタクト歴」は、かなり古い。当時はハードレンズで固く、目をレンズに慣らすのに一日3時間から始め、徐々に時間を延ばし、一日中装着する迄には1週間ほどかかった。使用後の洗浄も欠かせなかった。レンズが合わず目が充血し、使用を諦めた人もいた。  その後、ソフトレンズが開発されて、すぐ目に馴染み、メンテナンスも簡単とあって、使用者が一気に増えたのだと思うが、オシャレアイテムにまで進化するとは、想像もしなかった。  最近の女性の、大きな黒目への美意識は、アニメの主人公の影響ではないかと思ったりする。そのうち、目にキラリと星が入っていたりして…。ところが、ネットで見て驚いた。すでに星どころか花や虹まで入っている。アレ、マア!である。  一方、黒目の輪郭がぼやけてきたという40代以上の人の間でも使用されているというが、ちょっと待ってください。それは白内障じゃあ? 病院に行くことが先決ですよ。【中島千絵】

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