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Writer's pictureRafu Shimpo

ジューンブライド

 娘が小学生のころからの友だちから「6月なかごろ結婚するのでブライドメイドをやってくれ」と頼まれ、いろいろと精出して手伝っていた。  ブライダルシャワー、バチェラレットパーティーはサンディエゴ、式と式のリハーサルはサンタバーバラと僕らが結婚した時より随分と派手だなーと思った。もっとも今回のブライドメイドたちはアラサーの集まりで、娘以外は手に職を持つ身、そんなものかなとも思った。  新婦の家族とは親しくしてもらっていたので、われわれ夫婦も式に招待してくれた。式は土曜日の午後にサンタバーバラであったから、朝10時頃からぼつぼつと出発。海岸沿いを走るから泳ぎかサーフィンか、海を目指すとおぼしき車で高速道路は結構な低速、平均40〜50マイルで走行。  モーテルに着いてランチをとり、着替えて式場へ。この時スーツは持ってきたがタイピンもベルトも忘れてきたのを発見。パンツは腹が出てきたので胴回りがきっちりだったから、ネクタイともどもスーツで隠せるかとそのまま出席。  Greek Orthodox Church(ギリシャ正教)司式の結婚式は初めて。いろんな意味でいい経験となった。  式が始まるまで女性二人が「チャント」と呼ばれる歌のような祝詞(のりと)のような儀式の祈りをきれいな声で歌う。普通の教会のような楽器での伴奏はなし、というのがお約束らしい。  式自体も神父とチャント二人の掛け合いのような感じで進行。それぞれの行動にも意味があるようで、新婦さんが親切にパンフレットも作ってくれていた。約2時間ほどの式で、いつもなら途中で船を漕ぐところだが、興味津々で結構楽しんだ。  式の後のレセプションがつらかった。若者の結婚式だから、父娘のダンスの後はダンスパーティーの様相を呈し、大音量の音楽やダンスが苦手なわれら夫婦は式場から離れ、満月の下持参のMPプレイヤーで好きな音楽を聴きながらまったりとしたものだ。  翌日はお袋が一人で留守番してるので、本当は海岸によって娘の好きな貝殻などを拾おうかなとも思ったがそのまま帰ることに。  娘の友だちもそろそろ結婚をする年ごろになったかと感慨にふけったり、初めてのギリシャ正教の司式を楽しんだりとか、結構有意義な経験をした6月であった。【徳永憲治】

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